白いカーネーションの意味はご存知でしょうか?
母の日に赤いカーネーションを贈るのは皆さんご存知ですよね。
私が小学生の頃に、母の日には感謝の意味を込めて
お母さんにカーネーションの花を贈りましょう!という
風習が一般的に広まってきました。
当時、小学校でも、母の日の前に造花でしたがカーネーションの小さな花や、
カーネーションの花のピンブローチが配られてました。
赤いカーネーションに混ざって白いカーネーションがほんの少しだけ有りました。
好きな方を選んで良いのかと思った私は珍しさから白い方を手に取ろうとしましたが、
担任の先生に「白いカーネーションは亡くなったお母さんのためのものだから赤い方を取りなさい」と注意されドキッとして慌てて赤い方を取ったのを覚えています。
人工的なちょっと毒々しく感じられる赤色の花より清らかな白い花に惹かれた私は
心のなかでは好きな方を選ばせてくれたら良いのにと思っていたのでした。
それから毎年赤いカーネーションを必然的に何の疑問もなく手に取るようになりました。
そして、中学生になった私にとって最初の母の日を迎えました。
ホームルームの時間、母の日に向けてカーネーションの造花が用意されていました。
それまで、当たり前のように赤いカーネーションを選んでいた私ですが・・・
小学校六年生の夏休みに母を突然死で亡くした私は今年からは赤ではなく白。
清らかで美しいと憧れた白いカーネーションを堂々と手にすることができたのに・・・
赤いカーネーションを持つことができなくなった悲しみで胸が傷みました。
私が白いカーネーションの方が欲しいと思ったから母が亡くなったのではないかと、
赤いカーネーションを嫌った自分を責めたりもしました。
それからの数年は母の日に赤いカーネーションを見る度、
カーネーションには無いはずの棘が心臓に刺さるような感じが続きました。
お花屋さんで、白いカーネーションを買う度に、
私には赤いカーネーションを買う資格がないのだからと恨めしく眺めていました。
カーネーションという花すら嫌いになってしまいました。
時は流れ・・・
結婚して、初めての母の日に義母へ赤いカーネーションを贈りました。
また、母の日に赤いカーネーションを選べる喜びに嬉しくなりました。
そして、子供を授かり、自分が母となり赤いカーネーションを贈られるようになりました。
色紙で作られたものや、画用紙にクレパスで描かれた赤いカーネーションが愛おしく
カーネーションが好きな花になりました。
今では、お母さんが亡くなった子供にも白でなく赤いカーネーションを選ばせるようになったと聞きます。
でも、私はどちらでもないピンクのカーネーションが一番好きです。